【理系】イギリス大学院留学で修論Aを取った話【中編】
こんにちは~
今回は、留学経験皆無だったくずじょこと私が、初めてのロンドン大学院留学で修論でDistinctionをとった話の中編になります!
前回はIntroductions~Methodsについてまとめました。
今回はBodyの後半部分であるResults~Discussionsについてです。
Results
当たり前のことですが(前から当たり前のことしか言ってない)、Methodsで行った実験に対する結果は全て記述しましょう。
これはデータの良し悪しやそもそも失敗している、とかに関わらずです。やったことは全て書く。
グラフのlegendsや軸の説明、単位はいちいち説明します。
初めてグラフを見た人が、これは何を表しているのか、ということを一発で分かるようにしなければなりません。
あと略語(例えば、CI; confidencial interval)も説明すること。「これくらい常識っしょ~」みたいな略語だとしても、いちいちと。
私はよくSupervisorに、「このグラフは何を言いたいの?」とよく突っ込まれていました。「いやいや、一緒にやった実験のデータじゃん!」って思いましたが、意外と他の人にはなかなか伝わらないものです。
グラフ・図は大きく!図表内の文字も見やすいように大きさ、色など調整しましょう。
もちろん、統計処理をした場合は信頼区間やp値なども書きましょう~
Discussions
出た最重要パート!
これはかなり骨が折れるやつです。
でもこれをうまく書ければ高評価を得られる確率がグッと上がります。
Discussions(考察)では、
- IntroductionsとMethodsのおさらい
- 得られた結果に対するコメント
- 本研究の長所・短所
- 今後の研究計画
についてまとめましょう。
1. IntroductionsとMethodsのおさらい
「そもそも何でこの研究するんだったっけ?」「どんな実験したんだっけ?」という論文を長々と読んでいる人なら全員(たぶん私だけ)が忘れてしまいがちな前提をざっくり復習してもらうために記述します。
いきなり結果の考察をする前にワンクッション置くことで、「ああ、そうだった、こういう目的でこういう手法で実験したんだよね、それで考察はどうなってるんだろう?」と読者にスムーズに読み進めてもらうことができます。
ただ、これはあくまでサラッとしたおさらいなので、ボリューム的には数行で十分です。Word数制限もありますし、長ったらしく書くのはやめて、ある程度要約しましょう。
2. 得られた結果に対するコメント
Resultsで記述した結果が妥当か否か、またその理由、実験に失敗した場合はその理由とどうすれば良かったのかといった反省を記述します。
データの妥当性については、関連した先行研究と比べて判断しましょう。
もし先行研究結果とcontradict(矛盾)する場合は、その理由(実験条件、統計手法、サンプル数、サンプルの選別方法などなど)について考えて記述します。
自分の結果をsupportする知見とcontradictする知見両方あった場合(私もあったのですが)は、とりあえず両方記述した上で考察しましょう。
自分のデータをsupportするエビデンスばかり記述するとpublication bias(自分の研究に都合のいいデータばかり引用している)になりかねませんので注意しましょう。
3. 本研究の長所・短所
文字通り自分の研究の何がよかったか(例えば「自分の研究は関連分野の中では初めて行われた実験だ」とか「先行研究ではここまでしか調べていないけど、自分の研究はさらに踏み込んでXXまで調べている」、「採用した実験手法はこんな長所がある」など)
逆に、何が限界点か(「サンプル数が少なかった」、「本研究の実験手法では○○の測定はできない」、「バイアスが生じてしまう」など)
を思いつく限り挙げます。
まあ、自分に関連したことなんて大体長所より短所の方がたくさん出てくるものなので、
考察というより反省文みたいになってしまいますが笑、「自分の研究を客観視できている」とポジティブにとらえましょう。
4. 今後の研究計画
2、3の反省点を踏まえて、今後の研究にどう活かすのか・改善するのか、次はどのようなことを調べるべきなのかを記述します。
具体的には、
「自分の研究ではXXは調べきれなかったけど次回は調べてみよう」
「次回はもっとサンプル数を増やそう」
「次回は比べる実験条件をもっと細かく設定しよう」
などなど。
あとは先行研究や最新の関連論文を読むと面白い実験手法が見つかるときもあるので、「最新の研究ではこんな実験手法があるから次やってみると面白いかも」と記述するといいと思います。
Resultsまでは基本研究の背景や手順、結果を比較的機械的に述べていくのに対して、Discussionsは自分のコメントも書く必要があります(あたりまえ体操)。でも無駄に難しく考える必要はなくて、上記のことを丁寧に書いていけば十分です。
まとめ
ResultsとDiscussionsについて自分が修論を書いたときに意識したことをまとめました。
基本は前編、中編をカバーすれば大丈夫です。
後編では参考文献やその他こまごましたことについて書こうと思います。
<つづき・後編はこちらから>
<前編おさらい>